クラビットは発熱を伴う急性扁桃炎に有効です

急性扁桃炎は、鼻腔と口腔を分離する為に咽頭中央部両側に位置する口蓋扁桃が溶連菌やウイルスなどに感染する事で発症する炎症であり、約10%程度の成人患者が溶連菌によって発症しています。
溶連菌が病原菌となって発症するだけで無く化膿性連鎖球菌や黄色ブドウ球菌などの細菌に加え、単純ヘルペスウイルスやサイトメガロウイルスなど数多くのウイルスでも発症する疾患です。
一般的な扁桃炎と同様に咽頭部の違和感から次第に飲食時の嚥下痛を発症し、食欲不振や38℃を超える発熱などの諸症状を発症すると共に次第に咽頭部の炎症が拡大し扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍などを併発します。

診断方法は、一般的に口蓋扁桃や咽喉頭の発赤や膿栓付着などを確認すると共に咳や発熱の有無を確認し、発症起因となる病原菌を特定する為に細菌培養検査や溶連菌迅速検査などの検査を行います。
38℃を超える著しい発熱がある患者は、細菌培養検査や溶連菌迅速検査だけで無く、血液検査による炎症反応やウイルス及び細菌の抗体価を検査すると共に口蓋扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍などの併発の確認が必要です。
扁桃周囲膿瘍の発症時には、抗体価の検査結果だけで無くCT撮影で膿瘍形成の有無を判定する必要があり、膿瘍の形成が認められたら外科的手術が行われます。
溶連菌迅速検査は、専門の特殊検査機器を必要としないイムノクロマト法による熟練度に作用されない検査方法であり、2種類の試薬を混ぜた抽出抗原液に検体を5分程度浸す事で有色線の有無で判定される検査です。

治療は、クラビットやジェネリックのレボクインなどの抗生物質による薬物治療が一般的ですが、扁桃腺深部に膿が蓄積してしまった重篤患者には膿を排出させる扁桃周囲膿瘍切開手術や1年間に3回〜4回以上再発を繰り返す重篤患者に対しては口蓋扁桃摘出手術が行われます。
急性扁桃炎の治療は、特に38℃を超える発熱時には非常に有効ですが、クラビットやジェネリックのレボクインなどのキノロン系の抗生物質は溶連菌に薬害耐性を獲得させるリスクがある事から症状が重い場合に処方される抗生物質です。

クラビットやジェネリックのレボクインの作用機序と副作用

クラビットは、ニューキノロン系抗生物質レボフロキサシンを主成分とする抗菌薬であり、ニューキノロン系抗生物質の中でも最も強い殺菌効果を示すだけで無くペニシリン系やセフェム系の抗生物質にアレルギーを示す患者にも投与可能な抗菌薬です。
クラビットは、レボフロキサシンを主成分にする事で従来の治療薬に比べて高い抗菌効果を発揮すると共に適応菌種が広くなった抗菌薬であり、従来の治療薬に比べて副作用が少ない事から濃度依存性治療薬本体の医薬効果を発揮します。

クラビットやレボクインの主成分レボフロキサシンは、溶連菌の遺伝子の形成に不可欠なII型トポイソメラーゼのDNAジャイレースとIV型トポイソメラーゼの2種類のDNAトポイソメラーゼを阻害し、遺伝子を正常な複製や修復を阻害する医薬効果で殺菌する抗菌薬です。
II型トポイソメラーゼのDNAジャイレースは、2重の螺旋構造の遺伝子を切断して複製や修復をしやすくする酵素ですが、II型トポイソメラーゼのDNAジャイレースの働きが阻害される事で正常な遺伝子が複製されなくなり菌の増殖が抑制され快方に向かいます。
IV型トポイソメラーゼは、2重の螺旋構造である事から絡みついてしまう遺伝子を切断と接合を繰り返す事で正常な状態に戻す酵素ですが、IV型トポイソメラーゼの働きが阻害される事で複製された遺伝子が適切に分配する事が出来なくなり菌の増殖が抑制される抗菌薬です。

クラビットやレボクインは、同じ治療薬の中では比較的副作用の少ない抗菌薬ですが、1回の服用で炎症部位に可能な限り高濃度の医薬成分を移行出来るかで医薬効果が決まる濃度依存性治療薬である事から副作用が発症する患者も稀にいます。
副作用には、軽度の皮膚の弱い患者や長期間の服用患者に見られる光線過敏症に加えアナフィラキシーショックや中毒性表皮壊死融解症及びスティーブンス・ジョンソン症候群などの重篤な症状を発症する事もあります。
また、濃度依存性治療薬なので高用量で処方される事から医薬成分の排泄を担う腎臓に負担がかかり、急性腎不全などの副作用を発症する高齢患者もいます。